英会話が楽しいと思えるレベルにまで英語力を上げるには、それなりの心構えが必要ではないかと常日頃思っております。
例えば、中学校3年間で学習する文法や語彙を使用すれば、ある程度の会話は可能になると思いますが、あくまでも最低限のことが言えるというレベルだと思いますし、「英会話が楽しい」と思えるレベルというのは更に先にあると思うのです。
今回は、まず最初の段階として、どういう心構えを持って取り組むと英会話が楽しくなるのか、ということについて書いてみたいと思います。
心がワクワクし目がキラキラ輝くような目標設定をする!
クラーク博士の「Boys, be ambitious!」(少年よ大志を抱け!)という言葉はあまりにも有名です。
せっかくなので、たかが英会話ですが、クラーク博士が提案するような、大きな志、大きな目標を設定してみてはいかがでしょうか?
「自分のために英会話を学ぶのではない!」と仮定してみましょう。
あくまでも、世のため、人のために私は学んでいるんだと。
ちょっと大げさかもしれませんが、自分一人の自己満足のためにやっているのではない。
日本のため、世界のために私は頑張るのだと。
壮大な夢を描き、ゆるぎない信念を心に抱くことで、小さなことでいちいちくじけるようなことは少なくなると私は思います。
大きめの目標を掲げるコツ
例えば、「世界のために」というのが広すぎる目標だと思われる方も多いとは思いますが、自分の会社のために、自分の地域のために、そして、日本のために、という風に視野を少しずつ広げてみてはいかがでしょうか。
世界で活躍するために、日本人に圧倒的に欠けているものは、英語力なのではないかと私は思うわけです。
技術もあるし、専門知識もある、なのに、英語が話せないというだけで、どれだけのチャンスを棒に振っている人が多いか。
逆に言うと、こんなにインターネットで世界中がつながっていて、チャンスが世界中に転がっている時代に、専門分野を持っている方が、英語で難なくコミュニケーションをとることができれば、圧倒的に世界への扉は広がります。
少なくとも仕事でエリートを目指す人にとっては、最低限の教養として英語は必須だと思います。日本人が世界を舞台に活躍するには最低限の英会話力を身につける必要があると思うのです。
私は、世界を舞台にして、より多くの方の幸せに貢献する。そのために英語学習をする!という目標を掲げてみる。何だか、心がワクワク躍り、目がキラキラ輝いてきませんか?
私は通訳ガイドなので、強いて言えば、「日本」の専門家です。何を質問されても適切に「日本を世界に紹介する仕事」で生きていきたい人間です。
だから、心がワクワクし、目がキラキラ輝く目標を持っていますよ。
日本文化を世界の人々に発信するという大きな目標(大志)です。
これは、自分のためにだけではなく、日本の人々、世界の人々のための仕事ですし、そのために英語を日々学んでいるのです。だから、学ぶことが毎日とても楽しいです。
大きい目標を掲げるメリット
壮大な夢を描いて取り組むと、小さなことでいちいちへこたれなくなります。
大事なことは、できるかできないかを考えないこと。そんなことは全く意味がないです。
要は、たどり着けないくらいの大きな目標を掲げて、日々の勉強は単なる通過点だということにしてしまうのです。
大きな目標があればあるほど、それが自分のためではない目標の時、人は力が出ると思います。
「女は弱し、されど母は強し」という言葉がありますが、子を持った時、女は最強に強くなるのです。それは、自分のためにではないから、人のためになら人間は本来持つ力を充分に発揮すると思うから。
世の中のために、世界のために、そして、日本という国の成長のために英語の学習をやりましょうよ!世界へどんどん羽ばたいていき世界に貢献しましょうよ。
何のために英会話を上達させたいのか?を明確にする
たとえば、専門分野がある方は、目的を明確にしやすいと思います。
英語というのはコミュニケーションのツールです。言いたいことがあって、それを伝えるための手段なのです。
だから、言いたいことや伝えたいことのある、技術者や、企画力がある人、商品開発能力のある人、医療系の専門家、などなど、専門分野がある方にとっては、目標を明確にしやすいですね。
成し遂げたいことがあって、そのためにツールとしての英語を磨くという明確な目標が生まれます。
ただ単に、英語がペラペラになりたい、というだけでは、比較的簡単に挫けると思います。
なぜペラペラになりたいのか?というところを分析すると良いと思うのです。
私の場合は、外国人からの日本に関する様々な質問に、適切に分かりやすく答えたい、という明確な目標があり、そのための練習を行ってきました。
大きな目標への通過点として、試験を目標に掲げるのも良いかもしれません。
あくまでも通過点としてです。テストを目標にすると、個人的には、英語の勉強が退屈になってしまうような気がするのです。点数の上下に一喜一憂したりして、精神衛生上あまり良くない気がします。
大きな目標へ向けての通過点として、英検1級に合格する、通訳案内士試験に合格する、TOEICで○○点を目指すといった具合に、テストを避けては通れない通過ポイントだという位置付けしてチャレンジすることはとても有効だと思います。
通訳案内士試験や英検に関しては、スピーキング力を問われる高度な面接試験がありますので、会話力やスピーキング力を試すためには非常に良い機会だと思います。TOEICにも最近はスピーキングテストがありますね。
世界のこと、日本のことに詳しくなると英会話も楽しくなる
皆さんは、日本の経済のレベル、産業、歴史、地理、文化などについて、どれくらい語れますか?
当たり前すぎてバカバカしいと思うかもしれませんが、日本という国は、世界から見てめずらしい国のようです。日本に興味を持っている外国の人は本当にたくさんいらっしゃいます。
このような外国人の方に、日本について質問されたら答えられますか?
人口は?産業は?宗教は?などなど。
日本のことを少し説明できるだけで、日本にいる外国人と友達になれる可能性は格段に上がると思います。
日本が好きな外国人の友達ができたら英会話上達のチャンスですし、様々なことを伝えたい、教えてあげたいという気持ちが湧いてきますから、一石二鳥以上の効果があると思います。
また逆に、世界のことについて、どれくらいのことを質問できるでしょうか?
世界の歴史や地理、スポーツや文化、政治やニュースについて、興味を持って知識を持つことで外国の方と話をする際に話題が広がります。
特に、歴史について勉強することを私はおすすめしたいです。
日本の歴史もそうですが、世界の歴史。最低限の教養として、歴史を勉強すると、あとあと、英会話が上達するに従って、教養が役立つことになると思います。
ある程度のリスニング力がつくと英会話も楽しくなる
世界の有名な人のスピーチを聴いて、何を言っているのかがわかる段階になると本当に英会話は楽しくなります。
歴代のアメリカ大統領のスピーチであったり、有名な起業家のスピーチなどでも、通訳や字幕なしで直接何を伝えているのかがわかるレベルになると本当に得した気分を味わえます。
スピーチのレベルについて行けないとしても、ツイッターで流れてくる有名人の英語スピーチや会話が聴きとれたりすると、和訳を挟まずに、直接本人の声から自分に伝わって理解するので、その人が大好きな有名人であった場合などは、何とも言えない直接感が味わえると思います。
英会話を上達させたい場合、最低限のリスニング力をまずつけることがおすすめです。
耳は慣れます。たくさん聴いて、シャワーを浴びるように英語ヒアリング漬けになると、一定量に達した時に、耳が慣れます。
そこまでが辛抱だと思うのですが、速度も発音にも慣れる時期が必ずやってきますので、諦めず継続することが良いと思います。
「相手の言っていることがわかる」ということで、最初の段階から大きく前進でき、楽しい英会話につながると思います。
録音して復習、反復練習で英会話は伸びる、その結果、楽しくなる
ボイスレコーダーを持っていない英語学習者の方には、ぜひボイスレコーダーを1つ購入することをおすすめしたいです。
私の場合、言いたいことを英語で話をしてみて録音し、自分で即座に聞いてみる、ということで飛躍的に発信力を高められたと自負しています。
英会話教室で録音する場合は、担当の先生の許可を頂かないといけないと思いますが、1人でブツブツ練習する際にも、ボイスレコーダーは様々な方法 で有効活用できると思います。
私の場合は、英語のニュースと共にシャドウイングをしているところを録音してみたり、瞬間英作文教材を自分で作ってみたりと、様々な工夫をする際に役立っています。
ボイスレコーダーの何が良いかといいますと、自分の発音やイントネーションを、理想的な英語と比較できる点にあります。
自分で話している分には完璧に聞こえる発音でも、録音して聴いてみると、間違った発音だったり、ネイティブの発音とかけ離れていたり、ということが多々あります。
発音が正しくないと、英語は相手に伝わりませんから、少なくとも伝わりやすい発音、アクセント、イントネーションの練習はしないといけないと思います。
雑誌や新聞記事、ツイッターなどで流れてくる記事でも良いですが、たくさんの英語の文章を音読して録音して聴いてみるというのも良いと思います。
リーディング力と発音力、速読力などを鍛えることにつながると思います。
有効活用することで、様々な英語力のアップにつながるボイスレコーダー、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか?
仲間を作ると英会話は楽しくなる
似たようなレベルの人、もしくは、自分よりレベルが数段上の方と出会って、切磋琢磨することほど英会話が楽しくなることはないと思います。
グループレッスンに通うのはお金もかかりますが、英語力のある方は、大抵、お金と時間の投資をしっかりしています。
この世の中では、求めれば出会えることになっています。
似たレベルの同じ目標を持っている人に出会いたい、すごくスピーキングの力が優れた人と友達になりたい、など、こんな人に出会いたい、と思ったら行動に移しましょう。
必ず出会えます。
仲間を数人作るだけで、環境が変わります。心構えが変わります。1人で戦うよりもパワーが付きます。
ですから、積極的に英語学習を一緒にする仲間を見つけましょう。
地域のサークルなり、教育団体なり、カフェレッスンなり、必ず同じような目的で、仲間を探している人が見つかります。
日本人同士でも英語で話したら良いではないですか。下手なりにくり返し練習すれば必ず上達します。
コミュニケーション力を独学で身につけるには限界がありますので、できるだけ会話力に関しては、人とか関わって伸ばす時間を設けることをおすすめします。
たとえ充分に話せなくても、悔しい思いをたくさんすることで、モチベーションに火が付きます。
録音しておいて、聴いてみて、自分の出来なさ具合に腹の立つこともあるでしょう。
でも、それは1人では味わえない貴重な感情だと思います。
人と切磋琢磨することで生まれた強い思いなので、それを利用して、英会話力アップへのエネルギーに転換しましょう。きっと早い上達につながることと思います。
まとめ
今回は、具体的な方法論というよりは、英会話を上達させたいという前に、どのような心構えで取り組むべきか、といことを提案させていただきました。
①大きな目標を持つこと
②なぜ勉強するのかを明確にさせること
③日本や世界のことに詳しくなること
④リスニング力をつけること
⑤録音して発音チェックをすること
⑥仲間を見つけること
などを挙げさせていただきました。1人でも多くの方のお役に立てれば幸いです。