恥ずかしながら、私は以前、英語のスピーチコンテストに出場したことがあります。
最近は出場していないのですが、また機会がありましたら、挑戦する日がやって来るかもしれません。
初めての出場の際は、あまり深く考えず、とりあえずチャレンジしてみようという勢いだけで参加した英語スピーチコンテストでした。
しかし、予想外に得たものは多く、今では、思い出すと楽しい気持ちになりますし、大変貴重な経験となりました。
今回は、スピーチコンテストに出場した経験を元に、どのように英語スピーチを覚えたら良いのか、その覚え方や練習方法について、1つの例としてご紹介したいと思います。
なぜ英語スピーチを覚えると良いのか?
私は、経験上、コンテストでスピーチをする時は、最初はとりあえず、丸暗記するべきだと考えています。
理由は以下の通りです。
自信がつき堂々としていられる
世界中の子供達が、かけ算の九九を丸暗記していると思いますが、最初は覚えられなくて大変でも、理屈抜きに丸暗記してしまうと、何も考えずにスラスラと口から九九が出てきますね。
人前で話す時は、緊張します。
緊張すると、頭の中が真っ白になったりします。
覚えていたことも、すっかり抜けてしまうということが起こりえるので、不安ですからメモをみたくなると思います。
ですから、「しっかり覚えていない」という不安は緊張度を増すと思います。
中途半端にテスト勉強をした時、できないのではないかと不安になってストレスがたまったりしますが、万全の体制で臨む時は、そのストレスは逆にワクワクするような感覚に変わるといった経験はないでしょうか?
本番で緊張して、頭が真っ白になってしまわないように、一度「これだ!」と決めたスクリプトは、最初はとにかく丸暗記すると良い、と私は考えています。
くり返し、掛け算の九九のように丸暗記していると、全て覚えているという自信がありますから、本番前でも堂々としていられますね。
丸暗記した後、スピーチに個性が出る
スピーチというとピンとこないかもしれませんが、演劇を例に挙げるとわかりやすいかもしれません。
台本をもって、台詞を棒読みして演技をすると、誰がやっても同じような、何の味もない演劇になるでしょう。
台本を読み込んで、自分の中に落とし込んで丸暗記した後に、心を込めて台詞を言うと、それはとても味のある個性豊かな演技となると思います。
スピーチにも似たところがあり、文章を自分の中で落とし込んで、自分の言葉で発する時に、気持ちが伝わるものではないかと思います。
ですから、そのためにも、最初は文章を覚えて、何度も言う練習をしている間に、個性が出てきます。
そして、そこから自分らしいスピーチ完成に向けての改良改善につながっていくのだと思います。
自分の言葉の方が聴衆の心に響く
メモを読みながらスピーチをすることは、よくあることですが、例えば、3分とか5分程度のスピーチであれば、内容を覚えて、自分の言葉で話す方が、聴衆の心に伝わりやすいと思います。
メモを読むだけのスピーチであれば、聴衆はどんどん眠くなっていきます。
聴衆とアイコンタクトを取ったり、聴衆に問いかけたり、ジョークで笑わせたりしたいのであれば、メモを読むだけでは難しいです。
自分の言葉でスピーチができるようになるには、最初はスクリプトを覚えるということが重要だと思います。
英語スピーチの覚え方【コンテスト初出場の体験談】
ここからは、コンテストスピーチを作成して、覚えて、何回も練習したプロセスを記録していきます。
あくまでも、初めて参加した時の、私個人の経験談ですので、性格やスキルの差はさまざまだと思いますので、1つの例として参考程度にご覧いただければと思います。
伝えたいことを決める
どうしても伝えたいと思うことや、情熱があることをテーマに選ぶと、スピーチづくりが楽しいですし、覚えやすいです。
イヤイヤやらされるスピーチであれば、覚えたくてもなかなか覚えられないということもあるでしょう。
できれば、熱く語りたいことをテーマにして、伝えたいメッセ―ジを1つ決めてから、全体のスピーチを構成すると良いと思います。
スクリプトの下書きを書く
後で、改良改善を加えていくので、大まかに流れを書いていきます。
スピーチを練習し始めた当初は、スクリプトを書くことから始めましたが、最近は慣れてきたので、自分で言いたいことを適当に録音してから、文字おこしをして、構成を考えたりしています。
この書く作業の中で、アイデアが具体的になり、とても大事なプロセスです。
わからない英語の表現は、辞書をふんだんに使って、伝えたいことをふさわしい言葉で表すことができるように努力しましょう。
言いながら、スクリプトを編集する
ある程度、台本のようなものができたら、今度は、音読しながら表現を直していきます。
音読してみると、頭の中で作った作文をうまく言えないということが起こります。
このような時は、辞書から引っ張ってきた難しい単語やフレーズ、込み入った文法を使った表現はやめて、言いやすいシンプルな英語に直してしまいます。
本番で頭が真っ白になった時に、出てこなくなるのは、自分の慣れ親しんだ表現ではなくて、どこかから引っ張ってきたカッコイイ表現だったりします。
カッコつけようと思って使う表現であればあるほど、本番で口から出てこないということが多々ありますので、できるだけ自分が言いやすい表現を使う方が安全ですね。
ネイティブチェックを受ける
可能ならば、英語のネイティブスピーカーにお願いして、英文が不自然ではないかどうかチェックしてもらうことも良い方法だと思います。
特に、大きなコンテストに出場するといった場合には、変な表現を使うと恥ずかしいですね。
自分の文章をメインとして、不自然な表現や、間違った語法や文法があれば、直してもらいましょう。
スクリプトの清書する
伝えたいことが明確に伝わるスピーチのスクリプトが書きあがったら、それを清書しておきます。
私は、何度も編集できるよう、ワードを使ってスクリプトを準備します。
ファイル名は、どんどん編集してバージョンアップしていくので、ファイルごとに「〇月〇日現在のVersion.3」などと書いて保存していきます。
スクリプトをスラスラ言えるまで暗記する
できあがった清書したものを、スラスラ言えるようになるまで、何回もくり返し口に出して練習をします。
この辺りで、嫌になってしまうのは、まだまだ早いですよ。
これから、何回も何回も練習するので、このハードルは真っ先にクリアするべきところです。
ブロックごとに完璧に言えるようにする
最初から全体を通してスラスラ言えるようになるのは大変なので、私はブロックごとに小さく区切って、1つずつ完璧にして仕上げていきます。
- イントロダクション(序論)
- ボディの1番目のブロック(本論1)
- ボディの2番目のブロック(本論2)
- ボディの3番目のブロック(本論3)
- コンクルージョン(結論)
1つのかたまりの、最初の1文から、最後まで、一気に完璧にスラスラ言えるまで、くり返し練習するのです。
そのために、ICレコーダーを利用して、スピーチを1ブロックごとに録音して、小さなかたまりとして何回も聞いて、そして言ってみるということをくり返して覚えます。
1ブロックごとにジェスチャーをつける練習
ジェスチャーをつけられると、より効果的なスピーチとなるので、ジェスチャーの練習もします。
そのためには、スピーチ原稿は覚えてしまっている必要があるので、原稿をきちんと覚えた後にジェスチャーをつけながら練習します。
「録音する→聞く→直す」をくり返す
ジェスチャーをつけたり、アイコンタクトを考えたりしながら、聴衆の反応を予想しつつ練習します。
スピーチコンテストには、時間制限があると思うので、時間通りにできるかどうか、タイマーで時間を計りながら本番さながらの練習をします。
録音をしながら、練習をやってみると、時間オーバーしがちな部分が見えたりしますので、おすすめです。
録画する
録画は、ある程度、スピーチが完成形に近づいてきたときに取り入れます。
自分のクセや、話し方の特徴を、客観的に見ることができるので、録音よりも改善への効果があります。
ただ、初めて自分の映像を見る時は、恥ずかしいです。
聴衆に聞いてもらう(スピーチ特訓会開催)
スピーチが仕上がったら、聴衆を前にして、披露する機会を作るとかなり効果があると思います。
誰かに聞いてもらうことで、リアクションが見えますし、自分が思っているようには、なかなかうまくいかないので、ショックも受けます。
しかし、そのショックが、逆に改善への意欲につながります。
私がスピーチコンテストに参加した時は、2回戦出場前に、数回の特訓会を設けました。
そのたびに、スピーチを改善することができたので、ダメ出しにショックを受けたこともあり大変でしたが、今考えると、とても有意義な時間でした。
フィードバックをもらう
可能ならば、スピーチを聴いてくれた人に、率直な感想やフィードバックをもらえると、改良につながるので、かなり良いです。
分かりにくかったところや、不要な情報を教えてもらったり、こうするともっと面白くなるといった提案などももらえたら、いったんありがたく受け止めてみると良いと思います。
頂いたアドバイスを取り入れるかどうかは、自分の判断で良いと思います。
しかし、自分にない視点からの客観的な感想は、改良改善にとても役立ちますので、参考にすると良いと思います。
悪いところを改善して練習をする
頂いたフィードバックは、取り入れないものもあると思いますが、「なるほど!」と納得するものは、採用すると良いでしょう。
私は同じスピーチクラブの仲間たちにたくさんのフィードバックをいただいたので、できるだけ反映して、大幅にスピーチを書き直して、改善しました。
一日中、すき間時間は、ずっとブツブツつぶやく
できたスピーチは、本番の日まで、ひたすら練習です。
すき間時間を見つけては、ブツブツと口に出しながらスピーチの練習をします。
何回くらい練習したのかというと、おそらく、1日、5~10回くらいは、全体を通して練習していたのではないかと思います。
イメージトレーイング
ステージで堂々と、思い通りにスピーチができている自分を想像して、本番に備えることも良いと思います。
何回も映像を思い描いて、理想の自分でステージに立てるよう、イメージトレーニングのようなことも取り入れると良いかもしれないですね。
本番を迎える
しっかりと、本番に向けて念入りにリハーサルを行ったら、あとは、本番で全力を出し切ることです。
たくさん練習、準備をしたことは、裏切りません。
これまでの努力の集大成だと思って、ワクワクした気持ちで本番を楽しめるくらいになると良いですね。
英語スピーチの覚え方・まとめ
冒頭にも書きましたが、スピーチコンテストに出場した際、思いもよらない貴重なものを得られました。
何よりも、自分の自信につながったことは大きな宝です。
中学生や高校生になると、英語でスピーチをする機会が訪れるかもしれません。
そんなときは、ぜひ積極的に、自分の殻を打ち破れるチャンスだと思って、挑戦してほしいです。
大変な努力が必要となりますが、その後に得られるものは、本当に大きいです。
英語スピーチの仲間も募集していますので、ご興味ある方はぜひこちらまでお問い合わせください。