先日、観光庁から通訳案内士研修の修了証が届きました。
2009年に通訳案内士として地元の都道府県登録して以来、初めての動画研修でした。
紙の修了証が1枚入っていましたが、しっかり保管したいと思います。
今回は、観光庁から受講するように求められた動画研修について、どのようなことを学んだのかということについて、簡単にまとめてみました。
全国通訳案内士・観光庁の動画研修受講の経緯
平成30年の通訳案内士国家試験から、新たに「通訳案内の実務」という科目が追加されました。
それ以前の合格者は、この実務に関する試験勉強をしていませんでしたので、研修で補うということだと思います。
観光庁の動画研修の概要につきましては、こちらのリンクからご確認ください。
参考リンク観光庁研修について
研修は、動画研修と実際に講習に参加する研修がありまして、都合の良い方を選ぶことができました。
地方在住の通訳ガイドにとって、動画研修は交通費などの費用もかからず受講が可能になるので、助かりました。
私は動画研修を選びまして、約1時間の講義を3本受講しまして、終了前には確認テストのような問題が出されますので、それに回答して、必要な手続きを終えて終了しました。
動画研修を全て終えて、1カ月か2カ月後頃でしたか、観光庁から封筒が届き(上の写真参照)、中には研修の修了証が入っておりました。
また、全国通訳案内士が5年に1度ずつ受講しなければならない登録研修機関による通訳案内研修もあります。
詳細は、観光庁のサイトでご確認下さい。
参考リンク観光庁 通訳ガイド制度
観光庁動画研修で学んだこと
研修で学んだことは、メモを取っていきましたら、大学ノート1冊分になりました。
全てを詳しく書くことはできませんが、ガイドの現場や試験勉強にも役立つ情報がありましたので、どんなことを学んだかというポイントだけ紹介します。
通訳案内士法・旅行業法等に関する知識
改正された通訳案内士法について、重要な変更点を中心に学びました。
また、旅行業法についても、改正されたポイントを学び、また、なぜそういう改正になったのか、背景となった出来事についても学びました。
- 改正通訳案内士法のポイント
- 改正旅行業法のポイント
旅程管理の実務
通訳案内士にとって、旅程管理の実務が必要な理由や、具体的な旅程管理に必要な知識やスキルについて学びました。
3つの動画の中で、一番時間を割いて説明がなされた部分だと感じました。ノートのメモも一番多いです。
私は添乗員としても仕事をしてきましたので、この部分で新しく学んだことは特に無かったのですが、旅程管理の重要性を改めて実感しました。
- 旅行業法の知識
- 外国人観光客に配慮すべきポイント
- 業務決定後の流れ
- 業務遂行プロセスで大切な事
- ツアー中の注意点など
危機管理
危機管理に関する基本的な考え方を身につけることで、トラブル回避やクレームへの対処もスムーズにできるようになると思いますので、こちらも身につけておくべき大切な知識だと思います。
- 危機の種類
- 危機を最小化する方法
- トラブル回避方法
- クレームへの適切な対処
災害発生時の対応
災害は世界中でいつ起こるかわからないものですし、旅行中に何が起こるかわかりませんから、常に災害に備えておくこと、特に知識を得ておくことは大切です。
以下のようなポイントについて学びました。
- 初動対応や避難行動
- けが人・病人が出た時の対応
- 救急救命措置や応急手当の知識
- 医療施設や診療に関する知識
- 災害時対応に役立つ情報源
- 旅行保険
宗教・食事制限の注意点
日本にいると宗教や信条による食事制限はあまり意識しないかもしれませんが、海外には多種多様な考え方があります。
レストランでトラブルが起こらないよう、世界の宗教のことや、例えば、ベジタリアンでもさまざまな種類があることを知り、備えておく必要があります。
さまざまな宗教の特徴
- さまざまな宗教の戒律や食習慣
- 注意が必要な食材など
- テーブルマナー・タブーなど
食事制限についてのポイント
- ベジタリアンの分類
- 食物アレルギーの知識
- 飲食店での受け入れ対応
国ごとの生活文化への対応
外国人を国ごとに分類して行った「消費動向調査」アンケートのデータを元に、国ごとにどのような需要や要望があるのかということを学びました。
国によって要望や目的が異なることは知っていましたが、具体的にどの国の人がどのような活動を求めているかを学ぶことができて新鮮でした。
禁止行為など
知らないと後で罰せられてしまう可能性のある行為について、法律と照らし合わせて確認しました。
関係する主な法律は以下の通りです。
- 著作権法
- 道路運送法
- 薬機法
- 景品表示法
通訳案内士の研修義務・まとめ
今回は、観光庁の動画研修を受けた体験を元に、通訳ガイドに必要な知識を簡単にご紹介しました。
研修関連の情報は、状況に合わせて変わってゆくと思いますので、観光庁のウェブサイトを参考にしていただければと思います。