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通訳案内士資格は不要なのか?【外国人向けツアーでのガイド資格の必要性】

2019年度、訪日外国人観光客数は3000万人を突破しました。

私は地方在住の全国通訳案内士ですが、数年前と比べると、2020年現在、ガイドの仕事依頼を頂ける機会は着実に増えている実感があります。

 

法律上は、ガイド資格がなくても、有償で外国人観光客に外国語で観光地のご案内をすることができるようになりました。

ですから、インバウンドビジネスに参入するチャンスは着実に大勢の方に広がっているということです。

 

ただ、今回、あえて私は現役の通訳ガイドの立場から、資格を取得してガイド業を始めることの優位性をお伝えしたいと思います。

 

資格を取得することでもたらされる様々なメリットがあります。

1人でも多くの方に、メリットを知っていただき、資格取得を検討中、もしくは、迷っておられる方が、一日も早く準備をスタートし、動き出されることを期待します。

 

 

Contents

団体旅行から個人旅行へ!訪日観光客の傾向の変化!

私が通訳ガイドの資格を取得した2009年頃は、訪日外国人旅行者数は、現在と比べるとはるかに少なかったです。

 

そして、その多くのお客様は、団体ツアーに申し込み、ゴールデンコースといわれる人気のツアーに参加していました。

旅行業者から依頼を受けた登録ガイドがその旅行中ずっと1人でアテンドするという仕事が通常だったと思います。

 

一昔前は、東京や京都、富士山などの人気の観光地以外は、個人客が来ることも少なかったのですが、最近は一度来たお客様が「日本は楽しい!」と知り、多くの方々がリピート客として、今度は団体ツアーではなく、個人的な旅行を自分たちで企画して旅行する人が増えています。

 

泊まりたい宿泊施設(ホテルや旅館)だけ、自分たちでウェブサイトを通して予約して、その後の時間は自分たちの自由にアレンジするというお客様も増加しているように感じています。(あくまでも、ここ数年、海外からの問い合わせを直接受けている自分の感覚です。)

 

FIT(個人旅行客)の需要の多様化!

「FITとは、団体旅行やパッケージツアーを利用することなく個人で海外旅行に行くこと」です。「Foreign Independent Tourの頭文字の略」で、「Free Individual(Independent)Traveler」ともいうようです。

引用元:JTB総合研究所のウェブサイトはこちら

 

このブログを読んでいる方は、観光業にご興味がある方だと思うので、FITという言葉は知っておくと良いと思います。

ちなみに、旅行業界では、さまざまな略語があります。 
PAX=旅行客とか、TL=Tour Leaderなど、知っておくべき略語はたくさんあります。

 

話がそれましたが、夫婦やカップル、友人同士の小さなグループで、マニアックな場所に行ったり、素敵なホテルに滞在したり、現地の人と交流したり、体験プログラムに参加したい等と、お客様の需要が多様化、行先や要望もかなり多様化しています。

 

簡単に言うならば、ワガママツアーが増えているといいますか。

「せっかく日本に行くのなら、多少お金を多めに使ってでも、たくさん楽しい思い出を作りたい」といいましょうか。

そんな需要があるように感じます。

 

日本のファンになってしまった方々は、

「次はどこに行こうか?」

「何を見て、どんなものを食べようか?」

と、ワクワクし、常に情報収集されていますよ。

 

お客様が直接ガイドを選ぶ時代に突入!

そんなプライベートで日本を訪れる方々に必要とされるものが、観光地周辺に在住している通訳ガイドです。

その土地のことを熟知していて、いろいろな知識やお得な情報、地元ならではのことを教えてくれるガイドは、必要とされています。

 

そういうわけで、ガイドとお客さんをつなげるマッチングサイトや、地方のガイドをゲストに紹介するインバウンド会社などもたくさん出てきています。

 

インターネットで世界がつながっている時代ですから、マッチングサービスやSNS、さまざまな団体や個人のウェブサイトを通じて、お客様が現地ガイドを直接選べる時代になっています。

現在は、情報発信をし、自分を売り込むことで、たとえ旅行会社に所属しなくても仕事を得られる環境にあるということです。

 

団体ツアーでは体験できないユニークな経験をしたり、その地域ならではの知識などを楽しく伝えられる地域の通訳ガイドは、これからますます必要とされると思います。

 

根拠は、フリーの通訳ガイドである自分の体験談だけですから、あくまでも主観です。すいません、、、。

 

 

海外の観光ガイド事情と需要

日本から欧米などの海外旅行に行かれた経験のある方はご存知かと思いますが、ヨーロッパなどの海外では通訳ガイドという職業が高く評価されていることが多いです。

 

免許取得者の価値が高く評価されていると言いましょうか。ライセンスを持った通訳ガイドという職業に対して、一定の評価基準があるように思われます。

 

例えば、観光先進国のフランスは、文化的・歴史的に価値あるものが多く、政府から認定を受けたガイドでなければ、美術館や有名な観光地の案内をできないことになっています。

正しい知識を伝えられる政府公認のガイドは、信頼度が高いですね。

 

ですから、正しい知識や歴史背景など、さまざまなことを学びたくて通訳ガイドを手配したいと考えるお客様が、多くのガイドの中から、有資格ガイドを選ぶ可能性は高いということをお伝えしたいです。

 

そのようなお客様の人数は多くないかもしれませんが、一定の需要はあると思います。

 

企業(インバウンド以外でも)への就職に有利

全国通訳案内士試験は、語学力をはかる試験では唯一の国家試験です。

英検やTOEICなど、語学能力をはかるさまざまな試験がありますが、通訳案内士試験は政府が認定する国家資格です。

 

これは、堂々と履歴書に書いて自分をプロモーションできる実績と言えるでしょう。

 

語学を少しかじった人であれば、通訳案内士試験の難易度をご存知でしょうから、自分がどれだけの語学力を持っているかを証明する資格としてはかなり有効だと思います。

 

特に若い方が取得されると、外資系や海外との取引の多い企業など、さまざまな場面で能力を活かせるという証明ができる資格だと思います。

 

実際、私は資格取得後、すぐに大手旅行会社の添乗員採用面接に行きました。

私は別のブログ記事でも書いていますが、いきなりガイドの仕事をするのが怖かったので、添乗員からスタートしました。

通訳ガイド資格を取得しているということで、ほとんどその場で採用濃厚な雰囲気になり、帰宅途中の電車の中で採用決定の電話をもらいました。

 

その他、英語講師の採用面接でも、ほとんどその場で即採用されました。

ちなみに、現在、海外のインバウンド会社と提携して依頼を受けていますが、その会社からは直接リクルートのメールが来ました。

 

私の少ない事例で申し訳ないですが、客観的な証明として、ガイド資格は履歴書に書いて効果のある資格だと思います。

 

まとめ

 

資格がなくても、外国語でガイド業務を行うことはできるようになりましたが、依然、有資格者への信頼度や需要はあります。

 

資格を取ったからといって、全員がその資格を有効利用しているわけではありませんね。

例えば、教員免許を取っても教師にならない人もいますし、運転免許を取っても運転しない人もいます。

資格を取得しても、その後の行動で、稼げるか稼げないか、どのような仕事に就くのかも、向き不向きがありますから、人それぞれです。

 

私はそういう方々はさておき、全国通訳案内士の資格は、ガイドの仕事をする方にとってはさまざまなメリットがあります。

特に、お客様から信頼され、選ばれやすいガイドになれる点や、インバウンド関連企業への就職の際に自分をPRできる資格であることが特に重要なポイントだと思います。

 

ボランティアガイドがいるから、自分たちの仕事の報酬も安くした方が良いとか、思っている方も多いかもしれません。

しかし、私は、あえて堂々と、有資格者は誇りをもって、日々研鑽し、高い報酬を得ることを躊躇することなく、質の高い仕事をしていかれることを強くお勧めしたいです。

 

そういう気持ちから、将来インバウンド業界に興味があるかたには、全国通訳案内士資格取得をおすすめいたします。

 

  • この記事を書いた人

あさひ

北陸は福井の全国通訳案内士&英語講師。 大学時代に1年間の語学留学を経験。 その後、働きながら独学で英検1級と全国通訳案内士試験合格。 英語学習者の1人として、英検や通訳ガイド試験対策、英語の学習方法やモチベーションの維持に関することも発信中! 2000年から英語講師 → 2009年から全国通訳案内士 → 2021年から英語教室運営スタート

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