ホームページ下のプロフィール欄にも載せておりますが、私は2009年に通訳案内士資格を取得してまもなく、大手旅行会社の門をたたき、まずは添乗員資格を取得して、1年目はもっぱら添乗員として経験を積みました。
旅行会社での添乗員の経験というものが、通訳案内士の仕事に大きく役立つことを実感しました。
今回は、通訳ガイドが添乗員経験を通して得られたスキルについてまとめてみました。
通訳案内士が添乗員経験で身につけた5つのスキル
観光業界に興味はあったものの、どうやって仕事を得たらよいかも全く分からなかった私ですが、大手旅行会社で添乗員としてしばらく経験を積むことでたくさんのことを学ぶことができました。
ホスピタリティ・おもてなし精神
語学力が高いことに越したことはありませんが、もしかしたら、語学力よりも大切ではないかと感じることが、ホスピタリティのマインドといいますか、おもてなし精神だと思います。
観光業界は、特に、「おもてなしの心」を持つことが非常に大切です。
「私は、通訳ガイドだぞ!みんなついてこい!」と、偉そうにガイド力を披露することが仕事ではないです。
お客様の意図をくみ取り、気持ちを察して接することができるような、気の利くガイド、様々な配慮ができるガイドが必要とされていると思います。
大手旅行会社での添乗員時代、優れた先輩方の背中を見ながら、非常に多くのことを学ぶことができました。
クレームを防ぐコツ・先を読んで予防する力
お客様から出てくるクレームというのは、非常に残念なものです。
しかし、旅行中のさまざまな場面で、多くのクレームになりそうな原因は、努力で防ぐことができるものでもあります。
言い訳をしないことであったり、誠意を込めて対応することであったり、対応方法はさまざまです。
添乗員のスキルを身につける上で、クレームを極力出さないためのちょっとした工夫、例えば、電話一本で防げるクレームもありますし、お客様としっかり向き合ってコミュニケーションをとることで防げるクレームもあります。
通訳ガイドの仕事をする前に、添乗経験を積む中で、クレームを防ぐコツというものを学ぶことができたのは本当に良かったです。
臨機応変さ・危機対応力
観光業界では、急な変更を余儀なくされること、予定していなかった出来事が起こることは、日常茶飯事です。
いちいち、「こんなことは予定にはない!」などと言って腹を立てていても始まりません。変更が当たり前の、そういう業界なのです。
ですから、臨機応変に対応できる能力を身につけることが大切です。
通訳ガイドの免許を取っただけで、いきなり現場に出ていたら、おそらく、急な変更やキャンセル、緊急事態などにビックリしてアタフタしていたでしょうが、添乗員時代に、そのような場面を多く経験したため、現在では臨機応変に対応できるスキルが身に付いてきたと感じています。
リーダーシップ力
小グループの旅行に付き添う仕事でしたら、それほどリーダーシップを発揮する機会は少ないですが、バスツアーなどで、数十人のお客様を率いるガイドの仕事もありますね。
このような時に必要になる力は、リーダーシップ力です。
混雑している観光地で、お客様がバラバラにならないよう、自分にしっかり付いてきてくれるよう、指示を出して、引っ張らなければなりません。
観光を楽しむ以前に、お客様が迷子になっては、元も子もありませんから、しっかりとみんながまとまるようにアナウンスし、テキパキと動き、ガイド自らがすがすがしい姿で仕事をし、お客様がしっかりと楽しめるように配慮する必要があります。
大勢を率いる時のリーダーシップ力も、大変重要なスキルです。
徹底的な準備力
ツアーの前は、120%以上の準備をしてツアーに備えます。
それでもいろいろなことが起こりますので、どんなに完璧だと思う準備をしても、思い描いた通りにはなかなか進みません。
しかし、準備を十分にせずに仕事に臨んでしまったら、それは大変な失敗を導いてしまう可能性が大きいです。
最悪の場面を想定して、これ以上することはないというくらいの準備を行い、しっかり心構えを作って仕事に臨む、そのような姿勢を身につけることを、添乗員時代に学びました。
もうこれ以上できないというくらい完璧に準備して、それでもハプニングはつきものですから、臨機応変に対応する。
この事前準備力というスキルは、実は、仕事以外のあらゆる場面で役に立っています。
全国通訳案内士が添乗員資格を取って良かったこと・まとめ
今回は、添乗員時代に身につけた、ガイド力以外の5つのスキルを紹介してみました。
ガイドの仕事をいきなり始めることに抵抗がある方は、ぜひ、添乗員資格取得に挑戦してみて下さい。
スキルを増やすと、できることが大幅に増えますので、新しくガイドの仕事を得る際の武器になると思います。