全国通訳案内士の試験に合格したけれども、一体全体、どうやったら仕事をすることができるの?と思われている方はとても多いと思います。
私もその一人でした。
合格以前は観光業に従事したことは一切なくて、全てのことが初めて尽くしでしたから、新しい世界に飛び込むことは大変緊張しますし、やっていけるのかどうか、自分は向いているのかどうか、不安だらけでした。
でも、不安を抱えて迷っていて動けないよりは、「やってみて、どうしても向いていなかったら辞めたらいい!」という覚悟で、思い切って観光業の世界に飛び込んでみました。
今も、地方のガイドとしては仕事が十分あるとは言えない状況ですが、自分ができる範囲で、地域の活性化のために少しでも貢献できれば良いなと思い、仕事を続けております。
今回は、通訳案内士の試験に合格した後に、どのように仕事を獲得してゆけるか、ということについて、自分の経験を元にまとめてみました。
全部を1記事にまとめて書こうと思ったのですが、1つの項目だけで2000字を超えてしまったので、数回に分けて書きたいと思います。
全国通訳案内士が合格後に仕事を得る方法【その1】
以下は、私が経験してきた仕事を獲得する方法です。
新人の頃から現在に至るまでのプロセスを紹介しておりますが、地方でガイドをしている人間の1つの例ですから、全員に当てはまることではありませんので、その点はご理解ください。
通訳案内士の新人研修に参加する
日本には、いくつかの全国規模の通訳案内士団体がありまして、合格者が発表された後、様々な通訳案内士団体の新人ガイド研修が開催されます。
数日間かけて様々な観光地を巡るガイド研修など、団体によって日程や内容は異なりますが、必ず新人ガイド向けの研修がどこかで行われますので、それに参加すると多くのことを学ぶことができます。
新人研修で得られる4つのメリットを以下のようにまとめました。
情報収集ができる
通訳案内士は、人数が少ないですから、大勢の通訳案内士が集まる場所に参加すると、他の地域のガイドから多くの情報を得ることができます。
なかなか珍しい仕事をする者同志、興味関心も似ておりますし、たいていすぐに仲良くなれます。
新人研修には、新人のみならず、仕事を既に行っている中堅ガイドや、ベテランガイドの方も参加していることがあります。
自分のスキルアップのために、参加しているのです。
そういう先輩方に出会えると、初仕事の時の話や、仕事を獲得する方法など、大変有益な情報を得ることもできます。
刺激を受ける
新人ガイド研修に参加すると、研修を行う講師の先生から学ぶわけですが、講師となる先生は、その道数十年というベテランの通訳ガイドが担当することが多いです。
ですから、よどみなく、多くの知識、教養、ジョークや様々な雑学ネタなどを豊富に提供してくれます。
新人ガイドは、とにかくメモを取るだけで必死の状態ですが、先輩のガイドの姿から非常に多くのことを学ぶことができます。
また、自分は合格しただけで、今は何もできないということを知る瞬間でもあります。
新人研修に参加したけれど、到底自分には自信がないということで、諦める人もいると思います。
先輩や同期などネットワークを築く
新人研修には、ぜひ名刺を持参して、他県のガイドさんと名刺交換をして、その後も連絡を取り合うことができると良いと思います。
合格しただけで、実績が何もない状態で名刺なんか無理と思われるかもしれませんが、ガイド同志のネットワークというのは、後々大切になってきます。
めったに会えない者同士が会える貴重な機会ですし、恥ずかしいとか思わず、名刺を作って参加し、どんどん交流してほしいと思います。
お互いに仕事の紹介や情報共有を行ったり、また、仕事で困ったことを話し合える仲間を見つけることは、ガイドの仕事を続けてゆく上で大きなメリットとなるでしょう。
自分のレベルを知る
新人研修の参加者には、合格したばかりの本当の新人から、ベテランガイドまでいるわけです。
私が参加した新人ガイド研修では、移動中にバスの中で一人一人マイクが回ってきて、英語免許の人なら英語で何かを説明したり、自己紹介を英語で行ったり、自分のレベルが大勢にバレる瞬間がやってきました。
緊張して真っ白になって全然話せない人、流ちょうに話しまくる人、適切に話して笑いまで取れる人など、とにかく、様々な人のパフォーマンスを見ることができます。
そして、自分が今、どの辺のレベルにいて、どんなスキルが足りないのか、これからどのような努力をしないといけないのか、ということを知ることになります。
私は、緊張して、頭が真っ白になって、全く話せない人でした。(笑)
今では考えられないほど、低スキルの新人だったと思います。
自分には無理かなと思ったのですが、「大丈夫よ!」と、勇気づけてくれた他のガイドさんがいたおかげで、何とかまだ続けています。
まとめ
新人研修は、自分が通訳ガイドという仕事に向いているか向いていないかを最初に知ることができる場だと思います。
試験には受かったけれども、仕事をしようかどうしようか迷っている方、向き不向きを知りたい方は、たとえ免許取得後数年経っていたとしても、ぜひ新人研修に参加されることをおすすめします。